パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉

人気シリーズの4作目にして初3D対応作品。封切り二日目のレイトショーで観てきました。ワールド・エンドでシリーズ完結だったんじゃ…とか思ったが、興行成績が良かったためスピンアウトとか続編決定!はこの業界ではよくあること。
地方の映画館でも字幕の2D+3Dと吹き替え3Dの3スクリーン体制で上映とかは相変わらず人気あるなぁ…という感じ。客の入り具合もレイトショーにしては席が半分くらい埋まってたので上々ではなかろうか。


あらすじ

史上最強の海賊・黒ひげが“生命の泉”を狙い動き出した時、ジャック・スパロウの前に、かつて愛した女海賊アンジェリカが現れ、彼を呪われた航海へと誘う。時同じくして、ジャックの相棒ギブスの前に現れたのは、不滅の海賊魂を持つ男バルボッサ。だが、スペイン王フェルナンド6世 に対抗して“生命の泉”を探す英国王ジョージ2世に忠誠を誓い、いまや英国海軍将校に。黒ひげ、アンジェリカ、バルボッサ。史上最強の海賊たちが、禁断の宝を求めて動き出す。泉への地図を持つのは、ジャック・スパロウただひとり。永遠の生命を巡り、波乱の航海の幕が開ける―


もっと散々かと思ったが

初日で観てきた熱心なシリーズのファンの感想や映画レビューサイトの評判を読むには散々な状態だったので逆に「どんだけ酷いんだよ…オラワクワクしてきたぞ!」状態だったんだが、思ったより楽しめて拍子抜けした。実写版ドラゴンボールみたいにネタのみで語れるレベルまで酷くはない。が、確かにいいデキとは言えない、か。
まず、何よりも最初に致命的だったのはジャック・スパロウ船長の目的が最後まであやふやだった所。最初から最後まで周囲に流されてる感じがするどころか、いつもはフラフラしてるけどキメる時はきっちりキメるジャック船長の魅力がこれで半減してるのは、ジャック船長無双と言ってもいいこのシリーズでは致命的だと思う。特に今回は最後まで出ずっぱりだし。
次に「ストーリーが平坦で何の驚きもないまま終わる」「シリーズ恒例のキャラとか出ないくせに代役がそれらを意識し過ぎて笑えるw」みたいな意見もよく見たけど、どっちも当たってるので反論はできんなぁwただ前者に関してはストーリーの流れに関しては展開は平坦だけど、アクションシーンの配分とかお話のわかり易さ(伏線の使い方が安直で萎えるとも言うが)は良好だったので、特別「これは面白い!傑作!」と思うことは断じて無かったとはいえ、最初の予想に反して最後までそんなにダレることなく見れたのは特筆しておきたい。個人的には、時間が長いくせに見所が終盤に集中してた+カリプソがデウス・エクス・マキナしてたワールド・エンドよりは今回の方が観ている間は好ましく感じた。次に代役のお話。誰かを意識しすぎな神父と人魚の関係は、別に今更代役立てる必要ないんだからハッピーエンドでもいいんじゃないか、とは思った。どうせ最後まで番狂わせもないお話なんだから二人で幸せになっても何も問題は無い、ような…。
妖艶な佇まいから一瞬にしてホラー映画に変わる人魚襲撃シーンとか、口では色々いいながらジャックとなかなかナイスな共同戦線を取ってたツンデレバルボッサ船長とか、所々いい感じに楽しめたシーンもあるにはあったので駄作と決め付けるにも微妙な作品かと思った。今回から監督変わってたが、まだシリーズの癖を掴みきれてないような。なんか5〜6作目のオファーが既にキャストにいってるようだが、次以降も制作するのなら今回の経験を糧にして前からのファンにも受けのいい映画になるといいな。
B004QEF7UOパイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉
(オリジナル・サウンドトラック) ハンス・ジマー(音楽)
WALT DISNEY RECORDS 2011-05-25