映画けいおん!

ファンとしてはやはり初日に観に行きたかったのですが、残念ながら普通にお仕事だったので封切り二日目の12/4に観てきました。県内で上映してる所もあったけど、普通に高速使って2時間レベルだったのでそれなら…ということで仙台まで遠征。高速無料化素晴らしい!しかし12月から高速無料化って北東北の田舎民にとってはまさに映画けいおん!のためにあるとしか思えないタイミングだな。
劇場は恒例のMOVIX仙台。前々からグッズも扱ってたこともあり、2スクリーン使って1時間間隔で上映という気合の入れよう。待望の劇場版、封切り二日目ということもあり2スクリーン上映でも最前列以外ほぼ埋まるという人気っぷり。ファン層的に男性が多いのは仕方ないけど、予想以上に女性も多かったのがちょっと意外だった。ちょっと気になったのがリピーターキャンペーンの半券貼付けシート。劇場内には置いてない。チケットはネットで予約したので機械発行。もしカウンターでチケット買う時シート配布という流れならカウンターで「リピーターキャンペーンの用紙ください!」と言わなきゃいけない。これで間違ってたら恥ずかしいぞ…と思いつつチケット買う人観察してたのですが特に配布された様子は無し。「もしかしてシートも5日以降配布?」とか思いつつスクリーンが開放されたので場内に移動しようとしたらチケット確認のところで手渡されました。これで勝つる。


あらすじ

卒業を控えた軽音部3年生 唯、澪、律、紬の4人は、いつもどおり部室でお茶したり、バンドの方向性を話し合ったり?とゆるやかな時間を送っていた。
そんなある日、教室で同級生たちが「卒業旅行」を企画していることを知り、唯たちも卒業旅行に行こうということになる。そのことを聞いた梓も参加することになり、各自、候補地の希望を出す中、くじ引きの結果「ロンドン」へ行くことに決定!
ガイドブック等旅行の準備をしながら、各自、ロンドンへの思いをはせるのだが―


110分いつものけいおん

映画を観た最初の心象は…いきなり感無量。劇場の大きなスクリーンに映し出されるいつもの軽音部の面々を見て「ああ…本当に劇場版が流れてるよ…」としみじみと思ふ。
劇場版は二期の終わりで正式に告知されてたし、実際こうして観に来てはいるんだけど今までTVで基本的に一人でしか見てなかったけいおんを劇場の大きなスクリーンで、他のファンの方々と一緒に見れるというのはそれだけで良いものだなぁ…と思いました。絶叫(ライブ)上映会とか楽しかったんだろうなぁ。初回は落ち着いて観たい気もするが。


内容について。最後まで通して観て一番強く思ったことは良くも悪くも『いつものけいおん』だった、ということ。勿論劇場版らしく背景に気合入ってたり、広角の画面が多かったり、モブが多く(そして丁寧に)描かれていたり、ライブシーンも多かったりはする。が、そういった『物理的に劇場版』な箇所を抑えてより強く感じられたのが『いつものけいおん』の雰囲気。言わば110分いつものけいおん。といっても 旅行準備編→ロンドン編→卒業に向けて の3本立てみたいな構成。まぁ、いつものけいおんのお話をシームレスに3話続けて!という感じは強く受けた。OPが唯メインのポップな曲、EDが澪メインの格好いい系の曲というお決まりの構成もそれに拍車をかける。
劇場映画というのは時間が限られているので起承転結がハッキリし、ドラマティックな展開があり、盛り上がる場面や感動する場面がわかりやすく配置されることが多い。けど『けいおん』にそんな無駄にドラマティックでシリアスな展開は(見たくないと言えば嘘にはなるが)どうなのよ?と考えていたことは確か。PVで「音楽性の違いによるバンド解散の危機!」とか思わせぶりに出ていたこともあり、冒頭のDeath Devilっぽい(というかDeath Devilの曲だったw)をでヘドバンしながら演奏してたHTTの面々とその後の問答のシーンでは「これはマジでシリアス路線なのか…」と不安半分期待半分。そうしてたらムギちゃんのあの台詞と共にいきなり雰囲気が決壊して…「ああこれはいつものけいおんなんだな」と理解。あの件は予告編を利用した出オチだが、それ以上にスタッフの「劇場版だけどいつもの路線でいくよ!」という本当の意味での開始宣言だったように思える。そして、そこから始まるちょっと贅沢だけどいつもの『けいおん!』。1回は終わってしまった楽しい時間をまた楽しめる幸せ。そして物語の結末は…TV版を最大限に尊重し、余計な継ぎ足しもせず、劇場版を観てよかったと心から思える綺麗な終わり方。終わってみると本当にあれしかないなぁ…という感じが強い。
映画けいおん!に皆は何を求めていたのか。それは無駄にドラマティックな展開を見ることではなく、楽しかった『けいおん!』の空気を再び味わえることが一番だろうと自分は思っている。そういう意味では今回の映画けいおん!の方向性は純粋な一本の劇場映画としては些か悠長に感じられなくもない、がファンが「こうあって欲しい」と望んだ作品としては満点をあげられるのではないかと最後まで見て思った。『けいおん!ファンなら是非劇場のスクリーンで、できれば周りがスレていない早い内に見るべきなのは確定的に明らかな作品。二期終盤を見返しておくとなおベターかも。

B005XUJHCOSinging!(初回限定盤)
放課後ティータイム[平沢唯秋山澪田井中律琴吹紬中野梓(CV:豊崎愛生日笠陽子佐藤聡美寿美菜子竹達彩奈)]
ポニーキャニオン 2011-12-07