「やみなべの陰謀」

あとがきを見て元電撃文庫と知り、「そら外すわ」と思った。挿絵とか表紙で雰囲気は変わるだろうが電撃として出すには違和感が。ハヤカワJAの方が対象には合っているんじゃなかろうか。

内容的には4+1の短編で語り口が軽妙なこともありすっきり読める。ただ下品というかコテコテな描写も多いのでその辺嫌いだと楽しめないかも。各短編ごとにオチもあり、全体としてみても(とりあえず)破綻無く終えててすっきり。

ただ、キーパーソンが手順をマニュアルに沿ってこなすがごとく事態が解決に向かっていってしまうので、時間物に期待される一手の重みというかカタルシスが感じられないのが残念。面白いけど心に残らないというかそんな感じ。

流れは掴んでても複線の回収とか細かい所までは把握しきれていないので、再読すればより面白くなるかも?

やみなべの陰謀
やみなべの陰謀
posted with amazlet on 07.03.10
田中 哲弥
早川書房 (2006/04)
売り上げランキング: 111440
おすすめ度の平均: 4.5
5 「時間SFの傑作」という説明を見て噴き出した。
3 他の作品も読んでみたい。
4 豪快にてきとー