舞妓 Haaaan!!!

ちと車検の書類で実印が必要だったりしたので実家に顔を出すついでに、無料券を使って観てきました。
ワーナーマイカルでかなり気合を入れてプロモーションしてたから記憶に残ってたってのはあるけど実は観る予定は無かった!
観客の入りは…ぼちぼち劇場の2/5くらいか。ほとんどレイトショーで映画観るので昼間でこのくらいはどうなのかは何とも言い難い。まぁスパイディーやパイレーツ3よりは明らかに少ない。そりゃそうか。


あらすじ

東京の食品会社に勤めるサラリーマン、鬼塚は、自他共に認める舞妓オタク。夢は「舞妓と野球拳」。マニアックな舞妓ファンサイトを運営していたが、ある日掲示板の荒らしに"実際は一度も茶屋遊びをしたことがない"事を見抜かれてしまう。京都の支社に異動が決まった彼は付き合っていた彼女と別れ一念発起、舞妓さんと遊ぶために夜の街に繰り出す。しかし、そんな彼の前に「一見さんお断り」の壁が立ち塞がる…!偶然、自社の社長が茶屋の常連であることを知った彼は社長に認めてもらい茶屋に連れて行ってもらうため、インスタントラーメンの新商品開発に命を懸ける。一方その頃、別れた彼女は彼とのよりを戻すため舞妓になるべく京都に向かっていた―


阿部サダヲはまりすぎ

GET THE 舞妓Haaaan!!! RIDE!!!

概ねこんな雰囲気wこの画像見て引かなければ楽しめるんでないかなぁ
宮藤官九郎脚本。
カリスマ脚本家らしいが、自分は木更津キャッツアイをテレビで流し見してた程度の縁しかなかったので特に思う所は無し。実際脚本家の名前知ったのこの記事書いてる時だし、本当に何も期待せずに観に行ったのですよ。で、見てみたら意外と面白かった。最近観た映画は大作、続編、感動物といった手合いが続いていたので辟易していたのか、事前知識もストーリーの理解もあんまり必要無く単純に笑える映画が逆に新鮮に感じた。やっぱり映画もエンターテイメントだからこういったのもバリエーションとして少なからずあった方がいいなぁ、と。
舞妓さんという日本の伝統文化が題材になっているが上品というわけでは決してなく、ノリとテンションで笑わせる感じ。とにかく主役の阿部サダヲのハイテンションっぷりが凄い。舞妓さんと遊ぶために 新商品を開発して大ヒット⇒野球選手⇒格闘家⇒政界に進出までする猪突猛進っぷり、どうってことない場面ですら笑わせるキレっぷりはただただ圧巻。主役の人選は的確だった…というか彼しか主役張れないですよ、マジで。阿部サダヲはまりすぎ。


植木等さん(ノД`)

実はこの映画は植木等さんの遺作でもある。
以前ワイドショーで見かけた記憶があるのだが、これも完全に失念していた。で、問題の登場シーンは尺としては数分も無く特に本編に絡む内容でも無い。やってたことも、結構どうしようもないギャグだったのだがそれでも風格というか上品さがあるのが流石。もう既に逝った人の言動を新作の映画で見るのは(現実には全く普通のことなんだけど)不思議な感じであり色々と感慨深く思った。死んでも後の世に伝える物があるのは素敵ですね。


ストーリーはともかく

映画という形式な以上単発のコントを延々とやってればいいはずもなく、やっぱりストーリーは必要になってくる。この作品の場合も例に漏れず一応ストーリーの流れは存在する。だが推して知るべし、ノリとハイテンションのコメディ映画、ストーリー自体も破天荒である。ぶっちゃけ感動はしないw主人公と元彼女との関係や、隠し子問題等色々シリアスな問題もあってそれは本筋に絡んでくるものの、枝葉が描けてないこともあってどうにも浮いている感じは隠せない。そもそもこの映画の面白いところは別にあるのであまり影響は無い気もするが、蛇足な気はした。そもそも映画とハイテンションなコントって相性はどうなのかと。ストーリーのデキはともかく大作、感動作志向の映画の中で、こういった単純なお笑い、かつ日本固有の文化を題材にした作品はそれ自体が貴重だと思う。面白いのだからそれでもう十分じゃないか。色モノっぽく敬遠されそうだがもっと評価されていい。