空の境界 第三章「痛覚残留」

第4章、5章も詳細が発表されなんか非常に今更感が漂いますが、今回GWで上京した時に幸運にも見る機会があったので。
や、他の章の公開期間中に東京に行ったことは何回かあったのだけど、その都度他の予定があったり、新宿以外でやってることを知らなかったりで泣く泣くスルー。ちなみに5/9まで…で、5月後半からは4章が始まってしまうのでスクリーンで観るのは時期的にかなりギリギリであったり。地方で1〜3章をこれから期間限定で上映する所もあるみたいだけど。
昨年に1章が公開されてから、かなりの地域、時間限定だったにもかかわらずかなり絶賛されてたのはその筋の人なら記憶に新しいところ。話数とか場所とかでハードル高くて「DVDでいいかなぁ」とか最初は思ってたけど、これだけ話題になってるとやっぱりリアルタイムにスクリーンで観たいものじゃないですか。最近その手の物で行けたのは「ヱヴァ」の初日くらいなのだけど、やっぱ「わかってる空気」というか一体感とでもいいますか劇場でしか味わえない物ってあると思うのです。まぁ、2月公開で5月にしかも深夜→早朝でリアルタイムと言われると微妙かもですが。しかも1〜2を飛ばして3。でも、原作は一通り読んで内容は既知。かつ1〜3でどれが一番観たかったかと問われると3なので個人的には無問題。寧ろ幸運か。3章は全7章の中でも屈指のわかりやすいエンタメだし、何より藤乃の凶りっぷりが映像化されるなんてそれだけでお腹いっぱいてなもんですよ!


小説の映像化としては文句無し

ごちそうさまでした。
美味しゅうございました。


パッと見て圧倒されることは少なかったけど、小説の映像化としては十二分なデキ。というかよくここまで忠実に映像化できたものだと思う。派手な演出より、細かい部分や台詞の重みの表現に気を使っている感じ。時間制限上、設定の解説的な部分は省略されてたところもあったけど、お話の流れ自体は極力端折らずに進行。あんなシーンやこんなシーンもしっかり…って年齢制限無くて大丈夫なのか心配になるくらい。冒頭のあのシーンは、そりゃ必要だろうがその後にシャワーシーンまであったのが結構意外に思った。サービス?


藤乃黒かわいいよ藤乃

そして、何より、浅上藤乃が魅力的に描けているのが素晴らしかった。
ビジュアル的にも雨に濡れて張り付く髪の毛とか、返り血に塗れて平然と佇む清楚なお嬢様とかとか色々あるのですが、今回は何よりもまず声優さんの選択にGJと言わざるをえない。普通に能登麻美子は好きだったんですが、今回のハマリ役っぷりは只事ではない。基本はいつものおっとり上品声で、それはそれで役にはあっていると思う。だけど藤乃は凶っていて、壊れていて歪んでいて―悪意も無く無自覚にそういう行為に及んでしまって。そんな捩れた場面でも普段と変わらない声は、なまじ綺麗なだけにゾクッとくるものがあります。藤乃は「自覚なき快楽殺人者」と作中では評されてるけど、その辺りの危うさが上手い具合に声によって補完されてると思った。
あと喘ぎ声が絶品。
B0015ONF3O劇場版「空の境界」 痛覚残留 【通常版】
鈴村健一 坂本真綾 小船井充
アニプレックス 2008-07-23