サマーウォーズ

休職中に劇場で時かけを見て(他の人の評判を聞いてからですが)想像以上に満足し、その後『ぼくらのウォーゲーム』で小さいお子様向けとは思えないクオリティに驚愕し、ある意味細田信者になった私的には外せないこの夏の大作『サマーウォーズ』。仕事あったんで初回とはいかなかったものの、なんとか当日中に見てきました。
最寄の劇場ではやってなかったので、車で1時間程度の劇場まで遠出。流石にレイトショーの最終回なので人の入りはガラガラでしたが、意外とネットで予約してから来ている人が多かったのは期待度の高さの表れかしら(発券機が故障していたので受付で発券してもらったのだけど、その時に予約状況を見ることができた)


あらすじ

高校2年の夏休み、天才的な数学力を持ちながらも内気な性格の小磯健二は、憧れの先輩、夏希にアルバイトを頼まれる。二人が辿りついた先は、長野にある彼女の田舎。そこにいたのは総勢27人の大家族。夏希の曾祖母・栄は、室町時代から続く戦国一家・陣内(じんのうち)家の当主であり、一族を束ねる大黒柱だ。
栄の誕生日を祝うために集った、個性豊かな「ご親戚」の面々。そこで健二は突然、夏希から「フィアンセのフリをして」と頼まれてしまう。栄のためにと強引に頼み込まれ、夏希に口裏を合わせることになった健二。そしてその夜、彼の携帯に謎の数字が連なったメールが届く。数学が得意な健二はその解読に夢中になるのだが…
翌朝、世界は大きく一変していた。何者かがOZの機能を利用して、世界を混乱に陥れていたのだ。健二は状況を把握するためにOZにログインしようとするも彼のアカウントは乗っ取られてしまっていて―


どう見ても細田守です。ありがとうございました

事前情報だと、大家族、田舎の生活、辺りが重点的にピックアップされていたために今までの細田節とはまた違った物になるんじゃないかと予想していたこともあったのですが、見終わってみたら「どう見ても細田監督作品だわw」という結論に。
と、いうかベースのベースがほとんど『ぼくらのウォーゲーム』だったような気も。勿論デジモンなんぞ出てこないので、その辺りはもっと一般的な「何か」に置き換えられていて。ぼくらの〜に大家族、人と人の繋がりという要素を足して、対象年齢を引き上げた感じ…が近いような。ただ、それでマンネリしてるとかつまらないとかいったことは無かったと思う。ベースの作品が元々面白い上に、より一般的な形に昇華されているので、純粋に面白かった。笑いあり、泣きあり、燃える展開あり、とお話のバランスがとてもよく、観る側に特別な知識や努力を必要としてない点が「純粋」に面白いといえる所以。ぶっちゃけ登場人物の名前一つも覚えて無くても楽しめるのって凄くね?アニメ好きならば確実に観ておけと言えるデキ。…近作の面白かったアニメ映画としてはやっぱり『破』が挙げられると思うのだけど、あれは「事前知識必須」な類で、既知のお話が裏切られていくカタルシス等があったように思えるので、テーマの違いもそうだが並べて語るのは難しいかもなー。一般向け、単体でという条件ならばこっちのが受けはいいと思う。


今回唯一の美少女枠・かつヒロインである夏希は、なんだかんだ言って可愛く描けているとは思った…が意外な伏兵が!仮想世界OZの格闘ゲームチャンプ・キングカズマこと池沢佳主馬きゅん、なんですか彼は。男の子のはずなのに声質も相まって、ボーイッシュな少女みたいに見えるんだぜ…健二に協力的なこともあって「実は女の子」という展開もありかと思ったほど。流石に夏希はヒロインらしく終盤で盛り返したけどな!

4048543776サマーウォーズ 公式ガイドブック SUMMER DAYS MEMORY
ニュータイプ
角川書店(角川グループパブリッシング) 2009-07-29