踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!

前作『レインボーブリッジを封鎖せよ!』に何の予備知識も無く連れていかれて 面白かった→ドラマや映画1をレンタルで見る…という妙なシリーズ視聴履歴の私。今回も本編では7年ぶりの新作ということで期待して封切り日に観てきました。
流石に人気シリーズ(封切り日)だけあって劇場の入り具合は中々良好。劇場の真ん中から後ろは全部埋まってた感じで…100弱くらいかしら。レイトショーなのを考慮するとかなり最近の映画では健闘してる方に感じました。


あらすじ

湾岸署を襲った最悪の猟奇的連続殺人事件から7年。湾岸署は頻発する高度な犯罪に対抗するためにセキュリティシステムが導入された新湾岸署への引越しを決定。その業務を一任されたのは、強行犯係係長に昇進した青島俊作であった。新湾岸署の開署式まであと3日と迫る中、青島は部下の篠原夏美(内田有紀)や和久伸次郎らとともに大張り切りで引越し作業に取り組んでいた。だが、その引越しの真っ最中に、湾岸署内で次々と事件が発生。さらには、青島や恩田すみれらの拳銃が盗まれ、連続殺人事件へと発展していく。湾岸署には特別捜査本部が設置され、管理補佐官の鳥飼誠一(小栗旬)と共に青島は捜査を開始。開署式を翌日に控え、青島ら湾岸署員は被疑者を確保することができるのか―


面白かったことには面白かったんだが

映画の封切り日くらいの事前情報しか知らずに見たので、140分もの結構長い作品だったのは全くの想定外だった(120分くらいで終わると思っていた)のだが、それでも最後まで「だるいなー長いなー」とかは思わずに見られる程度には面白かった。篠原さんとか新キャラかと思ったぞw 緊張感…は時々完全に途切れてたので置いておいて、シリーズファン向けのサービスシーン的な場面が随所に配置されてたのがそこでは功を奏したのかもしれない。ただ、1本の映画としては一部では駄作駄作言われている前作やそれより評判が良いとされる前々作よりは完成度低かったように思える。
緊迫したシーンと、コメディ要素溢れるシーンが両立しているがこのシリーズの魅力の一つなのは間違いないだろう。今回もおなじみの保身に走る所長組やら抑えるべきところは抑えてきている。だが、シーンごとの分離が上手くできてないというか…緊迫感溢れるシーンに「クスッ」と笑える描写が入ってたのが多かったどうにも気になった。今までもあった展開といえばあった展開なんだが、どうにも「別にここでその話を持ち出さなくても…」という感が強く感じた。
あと、盛り上がりというかカタルシスにかける。お約束というかご都合主義な展開はある意味シリーズ恒例なんだが、今まではそれを吹き飛ばす熱い展開の勢いで気にならなくしていた所はあったと思う。が、今回は「魅せ場!」と意識されてるシーンはあってもブツ切りで今ひとつ盛り上がりが足りなかったように思った。青島がコートを取り戻してメインテーマがかかるシーンとかその後の展開に否応なく期待が持てるのに実際にやったのは…とか。いい場面はある。だが、そのシーンに関わってくる描写が少ないためにどうにもドラマが盛り上がらないような。ベッタベタで使い古された展開、ご都合主義アリアリで別にいいんだが、それでも物語を盛り上げる熱量が足りないように感じた
まぁ、それでもシリーズのファンだから最終的には楽しめたことには楽しめたのよ。今まで出てきた犯人が(顔見せ程度とはいえ)再登場してたり、和久さんの言葉が結構重要だったり、真下さんが美味しいところ掻っ攫っていったり。そして、まさかの今回の真犯人が…だったり。真犯人役に関しては「どうせこの人も顔見せ程度なんでしょう?」とか思ってただけにその無双っぷりには嬉しく思った。あれは実行犯になってしまうのも仕方ないw
もしテレビで特別編とかとしてやってれば素直に褒めれる作品だったと思う。だが、1本の映画としては一応決着ついてるとはいえ微妙。人気シリーズの続編としてはこの作り方はアリだとは思うが、それでも「シリーズファンへのサービスシーン」や「とりあえず入れておくべきシーン」がまずありきでそれに映画の脚本全体が引っ張られているように感じてしまった。まさに「シリーズのファンなら…」だ。
B003NHX59A踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!オリジナル・サウンドトラック
サントラ
ユニバーサル シグマ 2010-07-07