借りぐらしのアリエッティ

封切と一緒に観に行きたかったのだけど、先週はトイ・ストーリー3を観てしまったので1週遅れでレイトショーで観てきました。…本当は友人連れて行こうと思って楽しみにとっておいたのに何でこの年齢になってジブリ映画に一人で突入という状況になってしまったのか―
恒例のレイトショーですが、客の入りはそこそこという具合。連休だった先週と比べるとかなり空いていて、直前にチケット買ってもいい位置で見れるレベル。こんなもんなのかね?


あらすじ

14歳の小人の少女・アリエッティは、郊外にある古い屋敷の床下で、人間の生活品を借りながら、両親と密かに慎ましく暮らしていた。しかし、彼女らは人間に見られてはいけないという掟があった。そんなある日、その屋敷に引越してきた病を患った少年・翔に自分の姿を見られてしまい…。


ぼちぼち

特に大きな期待をして観に行ったわけではないけど、終わったあとの感想としては普通…というかぼちぼちのデキ、という感じ。悪くはなかったのだけど、「面白かった?」と問われると返答に困る。少なくとも『ゲド戦記』みたいに「あちゃー吾郎ちゃん親殺しやらかしちゃったかー」と思ったり『崖の上のポニョ』みたいに見た目とは裏腹に穿った見方を必要とする作品ではないので無難に楽しめるではあった。
アニメーション技術とか、背景美術に関しては今回とても良かった。個性の強すぎる色彩とかエキセントリックな美術無しに、あくまでも普通の自然の範疇においてそれでも美しい画面は観てて安心できた。私達が普段過ごしている環境を小人視点で真正面から描いて、なんでもない台所や居間を活劇の舞台として昇華してしまうのは技術の量でも質でも流石ジブリ作品と感心した。
けど、それと対照的にお話が盛り上がりにかけた点が残念だったと思う。あの終わり方はあれはあれでいいと思うし、特に酷いってわけでもないのだけど…どうにも淡白で地味だった。話の流れ方は問題ない、がそこに感情の起伏があんまり感じられなかったように思える。アリエッティと翔の関係は+の方向にでも、-の方向にでももっと針を振っていった方がお話にメリハリがついたのではなかろうかと。ぶっちゃけ映画の予告編だけ見た段階では自分はこのお話を「明るいメルヒェンに見せかけた人類と小人の生存競争」だとばっかりr
お話に関しては可もなく不可もなくといった具合だったが、迷走が続いてた最近のジブリにしては素直に無難に楽しめる作品でそれなりには満足できると思う。『耳をすませば』辺りの空気がある…かな?映像面に関してはかなり満足したため映画館でみるのも十分アリだろう。アリエッテイもジブリにしては珍しい純然たる美少女として描かれてて可愛いしな
4001140624床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)
メアリー ノートン ダイアナ・スタンレー
岩波書店 2000-09