トロン:レガシー

予告編で独特なビジュアル表現が気になり、過去のエポックメイキング的な作品の28年ぶりの続編という出自も気になって、封切り二日目に観てきました。コンピューターの中の世界を表現したグラフィックは大変3D映えしそうなので、これは3D環境で見るしかないな…!と思ってたらディズニーもその辺は考慮してたのか3D限定の上映というw
ただ、実際に観客動員数が良いのかというとそれにはちょっと疑問。土曜日のレイトショーで観てきたのですが、劇場内には13人www封切り二日目でこれはちょっと。

あらすじ

自らの潔白を証明し、エンコム社のCEOとなった前作主人公ケヴィンの謎の失踪から20年後。27歳に成長した息子サムは、父の友人アランが父から謎のメッセージを受け取った事を知らされる。手がかりを求めて父の経営していたゲームセンター跡を訪れたサムは、起動していた物質電子変換装置によってコンピューター内部世界へと送り込まれてしまう。
漆黒に包まれたコンピューター世界・グリッドで、命がけのゲームを強いられるサム。謎の女性・クオラに助けられた彼は、父ケヴィンと再会し失踪の謎を突き止めるため、グリッドの支配者・クルーとの過酷な戦いに身を投じていく。だが、クルーは昔の父と同じ姿をしていて―


音楽とグラフィックは良かったけど…ってなんか典型的な

ダフト・パンクを起用した音楽と、最新SFでもレトロ・フューチャーとも違う、クールなゲーム的ビジュアルイメージの見新しさとドライヴ感は世界設定に忠実なもので素直に素晴らしかった。が、ストーリー自体が起承転結はしっかりしているものの「ふーん…それで?」的な流され系どうにも盛り上がれない代物で観終わった後の感想としては「雰囲気はよかった」くらいしか残らなかった。
ただ、グラフィック面でもちょっと残念な所はあったかも。味方は青で敵は赤、律儀にその法則を守りつつ、どこか昔の8bitゲームの面影を残しながらも最新の技術で構成されたグリッド自体のデザインには文句はない。問題は3D方式で上映されたにも関わらず、あまり3D3Dしてない所。映画が始まる前に出てくる『この作品は2Dで上映するために一部のシーンは2Dで撮影されています。最後まで3D眼鏡を外さずにご鑑賞ください』的な文章。正直意味がわからなかったのだが、要は「意図的に2Dのシーン多いけど眼鏡外すなよ!」だったという…。現実世界は全て2Dで、グリッドは3D。それは演出的にはいい。ただ、肝心のグリッドの3Dシーンも3D度合いが抑えめというか、予告編や上映形態から感じられた『3D技術の為に作られた映画』的な迫力があまりなかったのが期待してたのと違って残念だった。ライトサイクルのシーンとか、もっとドーン!バーン!な感じだと思っていたのに…
お話については見た目は壮大に見えても実はすげぇありがちな話なので突っ込みもなにも…とか思ってたが、トロンさんについては一言いわなきゃならないよなァ?ぶっちゃけトロンさんは出さなくてもよかったのではないか。それだけ展開が唐突。序盤から「こいつには何か秘密がある…?」な演出は多かったけど、それだけで全く会話すらしてないし。正直いなくてもこのお話に支障ないだろうよ。前作はあれだけ主役クラス張ってたのに…


1作目と見比べると28年という月日もあり、技術の進歩は明らかに体験できる今作。だが、音楽とグラフィックはよかったけど、肝心の中身(お話)は…って最近のゲームの傾向と明らかに似ていて。この作品らしいと言えばらしい進化なのかもしれないけど。1作目は完成度はともかく、各方面に多大な影響を与えた、が今回はどうなのか?


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