「探偵オペラ ミルキィホームズ 〜overture〜」

「あなた、どうしてこんな日に海に出たりしたの!危ないってわかるでしょ!」
「でも……どうしてもみなさんに食べてもらいたくて……」
「食べてもらいたいって何を!?」
「新鮮なお刺身…とか?」


「カマボコです」


あらすじ

時は大探偵時代―『トイズ』と呼ばれる特殊能力を使って世間を騒がせる「怪盗」と、同じくトイズの力で彼らと対立する「探偵」が闊歩する時代。偵都ヨコハマの探偵育成機関・ホームズ探偵学院では、怪盗たちに対抗する新たな試みとして、4人の少女たちによる探偵チームが結成された。その名も『ミルキィホームズ』。探偵としてはまだまだ未熟だけど、仲良しでチームワーク抜群の彼女たち、シャロ、エリー、ネロ、コーデリア。だけど出会ったばかりのころは、さまざまな問題や衝突があって―


可もなく不可もなく

好評のうちに最終回を迎えた2010年秋季最狂アニメであるところのミルキィホームズですが、ノベライズがまさかの大御所・電撃文庫から出るということで即購入。同作者がシナリオを手がけているPSP版も結構評判がいいので期待しつつ遠方への移動中に読んだのですが…可もなく不可もなくな感じだった。
とりあえず、アニメ版のカオスな要素は微塵も見受けられず。「〜overture〜」とかサブタイについてるし、PSPとかの原作準拠路線なのでこれは予想通りと言えば予想通り。「あの狂った内容で電撃からノベライズ、だと…?」とちょっと期待してた気持ちはあったけど、まぁそれは流石に無いわなw
ノベライズ本編はミルキィホームズ結成前、小林オペラに師事する前の4人の馴れ初めのお話となっています。総じていいお話で特に「これはひどい…!」という程ではなかった。が、逆に手堅く纏まりすぎているせいか、読んでて「ふーん」と流せてしまって、特別な盛り上がり等は感じられなかったかもしれない。ページ数自体もそう多くはないが、1ページの文章量が少なく30分強で最後まで到達できる分量の少なさもそれに拍車をかける。まぁ、アレだ。本当に〜overture〜序章だからな…嘘はついてないな…
4人の中ではコーデリアさんのお話が小林オペラが絡んでたりとか、アニメ本編で次第に失われていった「いいお姉さん」成分を存分に堪能できて好みだったかも。逆に他の人は、やってることはカオスでも本質的な所ではアニメ版とそう変りない気がした。


無難っちゃ無難なんだが、どうにもインパクトに欠ける気がするので正直真面目なミルキィを敢えて読みたい人以外は別にスルーしていいんじゃないかと思われる作品。小林オペラが出てきたらミステリ要素とか入って面白くなるのかもしれないが、今のところはPSP版でいいんじゃr どっちかというとこの路線ならあんまりリーダー以外のキャラについて触れられていない怪盗帝国とかG4のお話の方が読みたいかな。

4048701398探偵オペラ ミルキィホームズ ~overture~ (電撃文庫)
子安 秀明 たにはら なつき
アスキー・メディアワークス 2010-12-10