「魔女ルミカの赤い糸」

しめたとばかり、留美華は舌で唇をちろっと舐めた。
そしておもむろに、もったいぶるように、靴を脱ぎ、続いて膝上まである長いソックスを脱ぎ捨てる。
裸足になった両足を組むと、琴也に見せつけるように右足を伸ばした。
「どうですか?わたくしの足」
ゆっくりとなでて、その先に手で触れる。
「ここに口づけしてみたいでしょう?」


あらすじ

奇妙な夢を見て目覚めた朝。クラス委員の羽田琴也は登校途中、何者かにタックルされ背中を踏みつけられてしまう。霧間留美華と名乗るその少女はあろうことか「やっとわたくしを愛してくださる人に巡りあえた」などと言い出して―


コミック化?

ルー=ガルー 2―忌避すべき狼 (2) (リュウコミックス) 魔女ルミカの赤い糸 (MF文庫J (た-05-01))


すんませんすんません本屋流してたらなんか目に入ったもので…
内容が内容なだけに「ぇぇぇぇえ」と。全く関係ないんだけどね!
実際並べるとそう似てもなかったり。赤いリボン、髪の色、タイトル周りの赤色が原因?


エロイんだけど

フェティシズム溢れるエロ小説(違だということで購入。
押絵からしてエロイ。表紙を捲っていきなりマッパってどういうことですか。他にも肝心な所が折り目だったりとなかなか心憎い演出。
留美華は頭以外の体の影と感覚を失っている、それを取り戻すにはその部位にキスしてもらう必要がある」ってのが話のキモ。
足舐めどころか最終的には全身取り戻しているし、まさしくsneg状態。もちろん、ただキスするだけではすまなくてキスした側の影と感覚が失われる(+激しい痛み)という代償があるわけですが。キスする側にメリットは無いので留美華はあの手この手で誘惑するわけですね。理性ではキスしちゃいけないとわかっているものの留美華の魅力に抗えず…って辺りがポイント高いです。留美華が最後まで命令系を貫き通すのもGOOD。っつーかこの辺りの主人公の心理描写の充実度は異常。本筋より気合入ってたんでないか。
他に過剰なエロさが売りのライトノベルというと武林クロスロード等が思い浮かぶ所ですが、それに勝るとも劣らないエロス。エロい場面の分量、ハードさでは向こうに軍配が上がるものの、あまりのマッシブっぷりに一周して笑っちゃう所もあることも事実。対してこちらは分量、行為自体は抑え目なものの、誘惑される際の心理描写や雰囲気作りにおいて前者に勝る。その手の属性に抵抗が無い人ならばこちらの方がエロく感じるのではないかなぁ。エロさという観点では十分に満足。


しかし、エロさという観点では良かったものの、それ以外の面では問題も少なからず。

  • 雨宮さんが空気(鞘当にすらなってない)
  • クラウスが空気…というか修道会自体空気(クラウスは邪気眼もってそうだ)
  • 双子の魔女もいなくていいんじゃね?
  • 終盤怒涛の超展開
  • 場面展開が唐突で誰が何をしているか分かり辛い

色々やろうとはしてるんだけど、空回りしている印象。結局エロのみ?
この作者はあまり策を労さず直球ど真ん中な作品の方が合っている気はする。

4840120609魔女ルミカの赤い糸 (MF文庫J (た-05-01))
田口 一
メディアファクトリー 2007-10