「ロウきゅーぶ!」

「『妹系メイド』とかグッと来ない?妹とメイドが両方そなわり最強に見えない?」

ブロンティストなのは確定的に明らか


あらすじ

ある選手に憧れて、七芝高校にバスケットボールでのスポーツ特待生として入学した長谷川昴。だが彼の高校でのバスケ部生活は早急に終わりを告げる。憧れてた選手=バスケ部部長のロリコン疑惑により、部自体が1年間の謹慎処分が決定したのだ。
この高校に入った目的を見失い途方にくれる昴。そんな折、彼女の叔母が彼にある話を持ってくる。が、その内容はあろうことか昴に「小学校女子のバスケ部のコーチをして欲しい」という空気が読めない物だった。結局押し切られ、1週間限定でコーチを引き受けることになった昴。だが女子バスケ部には短期間で強くならなければいけない目的があって―


ロリの皮を被った良作スポ魂

第15回電撃小説大賞「銀賞」受賞作。新人さん。無知蒙昧なためタイトルの意味がわからず、『C3-シーキューブ』の親戚かと思っていた時期もありました。見た目ロリだし。


で、篭球だったのね。ろーきゅー。
正直、最初はロリ多目のハーレムっぽいコメディかと思って舐めてたんが、見た目と中身のギャップにしてやられた。そして至極真っ当にバスケットボールの練習風景を描いてたのに驚いた。ロリの皮を被った良作スポ魂。序盤こそ、いきなりメイド服やらたくし上げやらでちょっとアレなんだが、中盤以降の主人公の再起っぷりや次第に明らかになっていくバスケ部の想いやら何やらが熱すぎる。強力な敵がいて、信頼できる仲間がいて、そして秘密の特訓があったり。これで燃えない人がどこにいるだろうか。
あと、個人的には女子バスケ部の戦術がシンプルなのが良かったと思う。バスケ自体は結構シンプルなスポーツだけど、それでも正式にやるなら色々と規則があるわけで。リアルにその辺を描写するってのもありっちゃありだが、このお話の方向性とは違うような気がする。スモールフォワード(という名のセンター)みたいに、些事に囚われずに本質を書いてこその、熱血スポ魂物也。…単純にそれぞれの役割が登場人物の個性にあってて良かったってのもあるけどな。それに絡んでのラストのノールックパスは、展開やら性格やら余韻やら八方睨んでて上手かった。
結末もいい具合にまとまっていて、読み終わって素直に「楽しかった」と言えるラノベ。良かったよ!
ただ、帯とかを見てロリを本気で期待すると肩透かしを喰らうと思いますw


そんな餌に俺が

内容は割と真面目。だが対照的にイラストはガチだった。
なんたって表紙を開いて、1ページ捲るとスパッツ光臨だし、何故か頬を赤らめて座り込む小学生女子やら、唯一の見開きが入浴シーンやら、サービス過剰です。っつーかここまで展開とあってない押絵でもいいのかね?
イラストを見た人のパターンとしては

  1. 絵と文のギャップが(・∀・)イイ!!
  2. 釣られる
  3. 引いちゃう

だと思うんだが、売れてるようです。大勝利!
でもやっぱ①は少数派か…

4048675206ロウきゅーぶ! (電撃文庫)
蒼山 サグ
アスキーメディアワークス 2009-02