「電撃学園RPG文庫」

「とにかくライトノベルが学校を舞台にすることが多いのは、その学校という"箱"をぶっ壊すため、だと思うんだ。自分たちを縛っていたものや、自分たちを守ってくれていたものは、実はたった一人の女の子(ヒロイン)との遭遇で簡単に壊れちゃうくらいの幻想で、それが壊れる瞬間に、笑いや感動が生まれるんじゃないかなって。そして未完成の主人公たちと同じように、"やり残したこと"を心の中に抱いている読者に、なにかのきっかけを感じてもらえるといいな、とか」
「あー……まあ、なにを言っているのか、よくわかりませんでしたけれども」
「なんでよ!?あたし、今、めちゃめちゃいいこと言ったと思うよ!?」


「要約すると、読者もろとも学校を爆破したいな、と思ってると、そういうことですね」


これはいい予約特典

DSの電撃学園RPG Cross of Venusの予約特典で、著者は、時雨沢恵一/五十嵐雄策/支倉凍砂/おかゆまさき/竹宮ゆゆこ/成田良悟/三雲岳斗/水瀬葉月/橋本和也の計9名。著者各々の作品のキャラクターに一部他の著者のキャラクターが乱入しつつ、電撃学園RPGに関わりあるようなないようなネタで9本が収録されている短編集。色々とカオス。

キノの旅』ベースで…というかキノの旅そのものだったり。ネタは流石にゲーム関連で少々ハメを外しているが、オチの風味はいつもの風味…でもないか。結構正統派な短編だと思った。


乃木坂春香の秘密』ベース。夜の学校の散策で七不思議に遭遇!

  1. 木工ボンド部をさまよう金属バットをもった死と再生の天使
  2. 廊下を疾走する喋るバイクとゴーストライダー
  3. 炎に包まれた炎髪灼眼のメロンパン好き少女
  4. 購買部をさまよう飢えた噛みつきシスター
  5. 木刀を持った少女コロポックル(凶暴)
  6. 手首に銀色の球体を埋め込まれた無口な少女
  7. 成長する少女の守護霊

…バレバレですね。わかります。


撲殺天使ドクロちゃん』ベース。ゼブルちゃんは出られない。
いつものw


ごちゃまぜ感漂う。フィアがおせんべを手に入れるために、わらしべ長者をするお話。短編の割りに他の話のキャラにしっかり絡むのが印象に残った。ゲームの予約特典らしいっちゃらしいお話。でもきっちり起承転結ついてるし、やっぱり上手い。戦闘キャラにフィアが欲しくなりました。今の所ドリルくらいしか出番がないのだが。


世界平和は一家団欒のあとに』と『アスラクライン』ベース。美智乃と操緒が親交を深めつつ、協力して事態を奪回しようとするお話。割とシリアス…だと思うんだがここは原作未読なので実際どうなのだろう。


アスラクライン』ベース。今回の見所? ちょwwwwwおまwwwwwwww著:橋本和也でシリアスだと思ってたら騙されたwwwww これでいいのか原作者。


狼と香辛料』ベース。店番しながらDSをやってるホロを糾弾しようとするロレンスを、ホロがあの手この手で誤魔化すお話。つんでれホロやんでれホロ。でも結局お前らラブラブじゃねぇかぁぁぁぁぁぁ。


『デュラララ』ベース?今回の見所? 主人公:遊馬崎ウォーカーの時点でお察し。実際に遊馬崎が二次元の世界に入ってしまったらどうなるのか?わかりきってる気もするが空気読みすぎワロタ。


とらドラ!』ベース。ちょろぎ。前半のノリで超短編。…あんまゲームとかコラボレーションとか関係無い感じ?



どうでもいい馬鹿話が多いものの、流石に本編でこんなことは書かないだろうし、お祭り騒ぎ、悪ノリとわかりきって手を出せば、単純に楽しめると思う。…真面目なお話はあんまり期待してはいけないが。あくまでもゲームの予約特典・ファンサービスとしてみるならば、十分に当初の目的を達成していると感じた。ページ数も230Pと特典にしては頑張ってる。書き下ろしイラストは少ないけど、希に見る気合入った特典…値段変わらんしな。
あと、装丁が凝ってるのが素敵。 基本は電撃文庫に準じているのだけど、(画像にはついてないけど)いつもの黄色と青色の帯付き。そしてあとがきは…最初あとがき無しかと思ったんですけどねw


で、本編どうよ?

まだ、クリアはしてないんですが(今11章、難易度ノーマル)。ぶっちゃけ★★★☆☆レベルじゃね?
今現在致命的なバグっぽいのは無いし、壊滅的に酷い部分も無いのでそれなりに楽しめてはいますが、システムもストーリーも〜が凄い!と誇れる部分は無いような。
ストーリーに関しては、まだ本筋が動き出して間もないので、まだ全容が明らかになってはいないのですが、少なくとも8章までは「原作の名シーンを見るだけ」+何故かダンジョン探索という感じで、章毎に全く関連性が無いので「…こんな状況でどうしろと?」状態。
CGとイベントボイスはもれなく付属なので、原作しってれば「ぉぉこんなシーンあったあった」と懐かしく思えたりする所は良いのですけどね。クロスオーバーと聞いて『LIVE A LIVE』とか『スパロボW』を想像してると肩透かしを喰らうよ?
ただ、結構サービスシーンもあってそこ関連は単純に嬉しかったかもしれず。本編だと一瞬で終わりますが、イベントCGに登録されるので無問題w だが真に面白いのはサービスシーン見たさの為に行動し、全女性陣に「サイテー」呼ばわりされる主人公なのであった…!
システム面だと、雑魚戦闘が単調+(死ぬ間際の)ボスが(無駄に)強いというのがまず、気になる点。
雑魚が1つの章で3体くらいしかいないのも難ですが、慣れてくると章が変わっても戦闘でやることがあんまり変わらないのが残念。ダッシュして位置取りし、遠距離攻撃雑魚⇒近接攻撃雑魚の順でキャラチェンジしながら通常攻撃メインのコンボでフルボッコ⇒終了。属性?コンボの性質上キャラ全員で交代しながら攻撃するから、雑魚だとあまり意味が無い。サポート攻撃?溜まったら撃つ…が1発程度、MP消費もあるんで常に使うわけでもない。戦闘のテンポとかガシガシ殴る爽快感は悪くないのだけど、流石に毎回毎回似たような戦闘してると流石に飽きてくるんだぜ?ジャンプ攻撃を上手く絡めると面白いのかもしれないが、なんかジャンプの操作が硬い。任意にジャンプできるはずなのにできないもどかしさ。
ボスは…まぁ強いなら強くていいのだけど、普段大したことないくせに死ぬ間際になると必殺技のみ連発してくるっていう思考ルーチンをどうにかしてくれと小一時間r死に際シュドナイとか逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて…ヘルパー攻撃溜まったらそれで攻撃で倒したぞ?
あと、カード合成時にカードの種類が沢山あるのに 例:カクレヒメ×5 じゃなくて1枚1枚わざわざ表示されてリストの中での移動距離が果てしないとか、必殺技のレベルが上がるけどいつ上がるか全く不明とか細かい不満が結構ありますが、概ねこんな具合。雑魚戦闘が単調な普通のRPG、ストーリーは良くないけど名シーン多し…ってな感じで。やっぱりファンなら!…だよなぁ。今回のファミ痛の評価は結構妥当だったかも。
あーでも日曜日に一日中遊べる程度のクオリティはあるから、そんな心配せずに騙されたと思って特攻するといいかもしれないよ?

B001HBIPOO電撃学園RPG Cross of Venus(通常版) 特典 電撃学園RPG文庫付き
アスキー・メディアワークス 2009-03-19