ウォッチメン

似たような出自の『ダークナイト』が大変面白かったのと、監督が『300』のザック・スナイダーだったこともあり、ちょっと遠出しないと上映している劇場がなかったものの時間を作って見てきました。だめだ、ワー○ーマイカル…早くなんとかしないと。プリキュア最初っから最後まで(レイト有り)でフル上映はなんというか…漢らしいっちゃらしいんですが。
観客の入りはレイトで広告展開を考慮すると結構入ってたほうでないかなぁ。割と小さいスクリーンで30人前後程?


あらすじ

ギャングやマフィアが覆面を被り、正体を隠して悪事をはたらくことが多くなっていたアメリカ。激しさをます犯罪に対抗するべく、自警団に参加している人達も次第に正体を隠して超法規的措置を取ることになっていった。そんな流れの中、1940年に結成された、覆面自警団チーム"ミニッツメン"。時の流れと共に世代交代をしながら名を"ウォッチメン"と改めた彼らは、犯罪者を常に監視し、確かにアメリカの平和に貢献していた。
が、そんな彼らとて元はと言えば覆面を被った一般人に過ぎない。彼らの行き過ぎた暴力や監視社会に恐怖を感じた市民達は、次第にかれらに対しても反感を抱くようになる。そんな中施行されるヒーローとしての活動を禁止する条約・キーン条約。この条約によって立場を失ったヒーローたちは、ある者はかつて裁いた物に報復され、ある者は精神病院に叩き込まれ、そしてまたある者は自ら素性を隠して生きるようになっていった。
だが、かつてのヒーローが次々に消えていく状況の中、覆面を被っただけではない「本物の」スーパーヒーローが偶然にも米国に誕生する。Dr.マンハッタン。原子を自在に操る力を持ち、核爆弾をも無力化する「神に近い」存在。彼を最前線に投入することにより、米国はベトナム戦争にも勝利することになってしまう。正に彼こそが緊張漂う冷戦のわかりやすい「抑止力」であったのだ。
Dr.マンハッタンの影響で実際の戦闘行為まで及ぶことは無かったものの、相変わらず対立を続け軍備を増強していく米国とソビエトソビエト核兵器の増強政策により終末時計が終末5分まで進む緊迫した状況下で、かつて"ウォッチメン"だった一人の人物が何者かによって殺されるという事件がひっそりと起こっていた。何故今になって"かつてのヒーロー"が殺されなくてはならないのか?唯一現役で覆面ヒーロー業を営んでいるロールシャッハは、この事件の成り立ちに疑問と違和感を感じ独自に調査を行うのだが―


言うほど難解でもない気が

事前情報でニクソン大統領辺りの米国の主な出来事を押さえてないと話を理解できないとか、ベトナム戦争や冷戦についての知識が必須とか、そもそも原作のグラフィックノベルが崇高に語られてる場面が多かったのでバリバリ予習して見に行ったんですよ、予習して。が、実際に見てみたら細かい所で知ってると「ぉぉー」と思えたりする部分があるものの、概要だけ知ってたらおkレベルで、普通に見るのにはそんなに難解な作品ではないように思えました。アクションシーンも思ってた「よりは」あって300っぽいカメラの使い方もあったりしてね。覆面ヒーロー軍団の中身は一般人で戦闘力がしょぼしょぼ→そんなにアクションシーンは無いだろう…との推測だったのですが、奴ら一般人にしてはかなり強いレベルですよ?まぁDr.マンハッタンには遠く及ばないがな!BGM:ワルキューレの騎行で青い素っ裸の巨人が火縄銃っぽいので応戦するベトナム兵を分子分解するシーンを見たときは、一体何が起こってるのか一瞬前後不覚に陥りました。あとは…R15なんでやっぱりエロとグロ多かったかな。グロはともかく、エロは必要だったのかわからんが。
お話自体については、シーンが飛んだりしててちょと説明不足かなぁと思える場面があったものの、ロールシャッハとDr.マンハッタンの対比を軸に据え、現代に実際にヒーローがいたらどうなるのか?を描くかなり骨太のデキだったと思います。一般人と超人、地に足のついたローカルな正義感と世界全体を考えに入れた崇高な正義感、結果に妥協するかしないのか。ロールシャッハが怪しい外見にしては無闇やたらに格好良いものの、「無能力でも頑張れば世界を変えれるんだぜ!」という話では断じてない、のが素敵。最大の見所はやっぱりラストのオチ部分だと思うのだけど、これは書けないし、事前に調べるのもオススメしないかな。原作ともちょっと違うらしいしその辺りは、原作ファンも楽しみにできるという意味では良いのかもしれない。個人的にかなり歪曲して浮かんだイメージは邪悪なルル山。こういう結末のも結構あるとは思うんだが(ハリウッドだと少なそうだが)、パッと浮かんだのがこれなのはどうなのかw
479687058XWATCHMEN ウォッチメン Official Film Guide (SHO-PRO BOOKS)
富原まさ江
小学館集英社プロダクション 2009-02-28