「僕僕先生」
中国の唐代で、金持ちのぼんぼんが父親の趣味から本物の仙人「僕僕」(黒髪ツンデレ)と知り合い旅の中成長して真っ当な人間になっていくというお話。
ぼんぼんといっても、性格は悪くなく純粋で、働かなくても十分に生きていける下地があるのならこんな風に物事の風情を感じて生きていける生活はある意味理想。生きる目的が無く日々を無為に過ごすことが悪いのか。道を極めたて仙人になった物は須らくそういう側面がある気もするけど。そういう意味では主人公は仙人に近づける素質があったのかもしれない。
主人公が旅の中で様々な見識に触れ、僕僕に惹かれ初めて自分でやりたい事を見出す筋は本当に綺麗で心地よい。ただ、過程の出来事などが多分に客観的にかかれ気味で主人公への教訓や、僕僕の過去についてあまり触れられていないのが消化不良気味かもと思った。
ネット書店も品切れが多く、実際の書店もかなり大手でないと在庫がなく入手に密かに苦労した。
この装丁だと書店の方もスペースをとったり(あと値段も!)色々と気を使うかもしれないので今後文庫で出るとよいなぁ。