「C3-シーキューブ-」

「あら。もう泣くのはお止めになったのかしら。で、今更何をするつもりなのでしょう?」
「何をするって?決まっている――」
「これからお前の悲鳴を聞く。とても楽しみだ。あははは」


あらすじ

海外の父親から宅配便で突然届いた、超重い謎の黒い立方体。
夜知春亮は厄介事の雰囲気を感じつつ、ソレを適当に放置した。その夜、不審な物音で彼は目を覚ます。緊迫した空気の中見つけた侵入者は、月明かりに照らされた幻想的な―
「全裸の煎餅泥棒女っ!?」なのだった…
実は彼女は昼間の黒い立方体が変化した姿で――


サービス サービスゥ!

「うむ。何をしているのかと言えばだな」
「借りを返すため、というか。私にはこの身体以外に使えるものはないし。正直なところ恥ずかしくてたまらないが、負い目があるから仕方ないのだ」
「おいっ!?なぜそんな誤解を招くような物言いにっ!?」
「ん?何が誤解だ。確かに初めてだから上手くできないかもしれないが……その、精一杯私がこの身体で奉仕して、お前を気持ちよくしてやろうというのだぞ。ほ、本当は嫌なのだが借りを返すためなので仕方ない――第一、最初はお前が言ったことから始まったのではないか」
「どんどん誤解する単語が増えてるっていうか俺が何を言った!?」
「確か、『我慢できない』『お前の』『温かいそこに』『早く入りたい』『ふははは』……全部は思いだせんが、抜粋するとそんな感じの台詞だったように思う。で、そんな言葉があり――お前が大暴れしながらここに入ってきて――今こうなっている、と。異論はなかろう」

ヒロインの初登場シーンもあんなだし、表紙の帯の位置も計算し尽されているしとサービスシーンが多いのが第一印象。
カラー口絵も押絵もsneg。確かに裸率頑張ってるwwwww 魔女カリもエロいシーンは多目だったけど、あちらは避けては通れない、そしてややグロが入っていたのに対しこちらはあくまで意図的なサービスってのが多少気になるかなぁ。


違和感

結界師のフーガ』を白、『ぼくと魔女式アポカリプス』を黒としてその中間の灰を目指したそうです(あとがきより)。
魔女カリでやり過ぎたんでしょうか…というわけで本編は主人公中心のラブコメ成分『白』と呪われた品中心のシリアス成分『黒』のハーフ&ハーフで進行。エグい描写は正直前作程ではなかったりしますが、この二つの成分の落差ってのが曲者で 温い展開→急降下→アッ-てな感じでギャップによるインパクトは大。全体を灰に染めるのでなく、シーン毎に割と白黒はっきりしてるのがここではいい方向に働いてるかと。
ただ、白黒はっきりするのはいいのですが、それぞれの構成要素であるサービスシーンとか重要な語句(組織名等)の入れ方に違和感があるのが多少事務的で気になったり(あざといとも言う)。1巻の段階なのでまだ何とも言えないのですが、もっと行き当たりばったりでもいいのではないか。
個人的にはフィア大暴走で大量虐殺という展開でも全kr
4840239754C3-シーキューブ (電撃文庫 み 7-7)
水瀬 葉月
メディアワークス 2007-09-10