「とある魔術の禁書目録(インデックス)16」

「彼らを『弱い』と決めつけ、その実力を信じられなかった自分が。心のどこかで彼らを見下し、背中を預けられなかった自分が。そうしてすぐ近くにあるはずの力を放置し、未熟な腕にも拘らずたった一人で戦い続け、敵に大きな隙を見せてしまったこの自分が!この傲慢が、『守ってやる』という優越感が、全ての悲劇の元凶だったんですよ!!」
「だから私は克服します。彼らを信じ、背中を預け、互いが互いの力を最大限に発揮することで、私は私の天草式十字凄教を取り戻してみせます!!我々のリーダーは我々であり、我々の仲間は我々です!!そこには『聖人』などという、たった一人の上司など必要ありません!!」


あらすじ

ローマ正教『神の右席』後方のアックアがついに動き出した。『神の右席』でありながら『聖人』でもある彼は、上条当麻の「右手」を狙う。
その動きを知ったイギリス清教は、下部組織である天草式十時凄教を上条護衛の為に学園都市に派遣する。だが、常に大人数で付きまとうわけにもいかず、以前共闘したこともある槍使いの少女・五和が上条の直接の護衛になることになった。緊迫した状況下にも拘らず流れる平穏な時間。だが、『神の右席』は確実に上条の元に迫りつつあった―


いつもの

漫画版も評判良かったり、アニメ化決定したりで最近調子いいシリーズの本編16巻。しっかし、アニメ化は本当に「待望の」っていった感じですねぇ…
『禁書』はなんだかんだ言って毎回楽しみにしてるんですが、正直このシリーズ「面白い」んだけど「凄い」とまではいかないかなぁと感じる今日この頃。いや、真っ直ぐに熱い所とか、フラグ立てまくりのコメディ部分とか好きですよ?でも「してやられた」とか「大絶賛」までは自分は言えないかなと最近改めて思ったり。基本的にはアベレージヒッター。そりゃむらっ気もありますし、会心の当たりってのも時々ありますけどね。
で、今回は実に正統派に『禁書』のノリで良かったんではないかと。コメディに、少年漫画的熱い展開、ヒロインを巡る群雄割拠。最近は『一方通行』関係にシリアスに押されていた感じがあったけど、ここにきてやっと魔術サイドで望みの物が見れた感じ。ある意味テンプレート的ではありますが、「テンプレは偉大なる先人の知恵の結晶」とかなんとか誰かが言っていた気もするのでここはそれでいいのでしょう。予想の範囲内で、面白かったよ?
そして今回の見所は天草式の女性陣。
五和は…最初に出た時は、素敵なその他一名って感じだったのが、14巻の大抜擢を皮切りにとうとうヒロイン争奪戦の一角に入るまでに?いwwwつwwwwわwwwwwって感じだったかもしれないのだが。槍を強化してる時とか包丁を研いでる鬼娘に通じるものがあって怖いですよう…。メインに入ったと見るか今回までかは微妙な所か。
神裂ねーちんは…冒頭のブチ切れ→本編の熱い活躍っぷり→堕天使エロメイドと万事抜かりないな!もとい、性格的にも容姿的にも相当に魅力的なキャラではあったんですが、最近の裏方ぶりにはちょっと悲しいものがありました。が、ここにきて待望の戦線復帰。しかもトラウマを克服したり、かつての仲間との協力、挙句の果てには合体攻撃と…今回の主役はお前でいいよ状態。また裏に引っ込まないで欲しいなぁ。


次巻以降はこのまま魔術サイドが続くのか科学サイドに戻るのかはまだ不明。このまま続く場合は敵の強さインフレがDBな具合に大変なことになっているぞ。今回空気だった上条は頑張れ超頑張れ。

4048670867とある魔術の禁書目録 16 (16) (電撃文庫 か 12-17)
鎌池 和馬
アスキー・メディアワークス 2008-06-10