「デュラララ!!×5」

【君はあれだね。悪人よりではあるけど、完全な悪人じゃない。でも善人らしさは欠片もない。こう、なんだ、君を一言で表すと――――
『反吐が出る』って感じかな。褒め言葉だよ?】

臨也評適切過ぎます


あらすじ

4月の一過性の騒動も落ち着き今はGW。
連休で沸き立つ池袋の街にまたも不穏な空気が流れ始めていた。前回の騒動の時、ダラーズにちょっかいを出してきた埼玉のチーム『To羅丸』。彼らが"意趣返し"として『ダラーズ』に抗争をしかけてきたのだ。
『ダラーズ』の創始者の一人・竜ヶ峰帝人は一人困惑していた。今回の『To羅丸』の動きは、最近『ダラーズ』が彼らに対して行った卑怯な闇討ちが発端となってるという噂を聞いたからだ。勝手に『ダラーズ』の名を使って行動している連中がいる?そんな中、帝は後輩にして『ダラーズ』の一員でもある黒沼青葉と共に先月果たせなかった池袋の街案内をすることになる。
一方、デュラハンのセルティ。彼女は正直、今回の自分の仕事に困惑していた。内容が運び屋とは全く関係無い「ある少女の発見と護衛」だったからである。
ついでに、平和島静雄も現状に困惑していた。昼食を食べて店から出たら見知らぬ少女が改造スタンガンを振り回して襲い掛かってr
更に、異国の何でも屋二人組すらも「ある少女の奪取」を目的に池袋に襲来
またもや錯綜する状況。だがこれらの影には前回の騒動で放置されてた臨也の思惑があって―


毎度のことですが

なんで作者はこんな話書けるんだよって感じかな。褒め言葉だよ?


池袋の街を舞台に個性豊かな面子が好き勝手やってるザッピングストーリー第5弾。前巻から大体1年くらいか?前巻が単発のお話だったのに対し今回は前後編で、逸話って感じだった前と比べると本筋っぽい。相変わらずやってることは基本的に変わらない気もするものの、このハイテンションなキャラクター群の行動やら台詞のノリが面白いところなので無問題…か?いきなり5巻から読む勇者は流石にそんなにいないはずなので問題ないな。
前後編ってことなので、お話は勿論未解決。よってそちらがどーなっていくかは後編待ちですが、ことキャラクター描写に関してはここまで読んできた読者なら満足できる物に仕上がってると思った。…作中にまっっったく影も形も無い人もいるがな。出番あった人限定ってことで!
まず、単純に台詞回しが素敵センスな人…新羅とか新羅とかが一つ。よくこう毎回毎回頭が悪そうなのに小粋な台詞が出てくるものだと…いや、褒めてるよ?
次に、吹っ切れたキャラクターが多い割りに、しっかり個々の特徴を掴んだ展開が描けていることがもう一つ。ここまで巻数が進むと、個々のキャラクターの個性も固まってくるわけで。そこで、期待を裏切らないとでも言いますか…壷をしっかり押さえてくるなぁと。
素直な例では、鋼線でセルティの首ちょんぱシーン。加えて、ヴァローナの杏里襲撃シーン。全然終わってませんから、というか死亡フラグ(襲撃者側の)立ちかけてますから!…って今までの事前知識があれば安易に予想がつきそうな場面ではあるのですが、逆にこの「ですよねーw」感が心地よいというかなんというか。活躍する場面があってこその個性なのですよ?
…まぁ、杏里襲撃シーンは別の意味で危険が危ない。ある意味押絵GJ? ( ゚∀゚)o彡 ( ゚∀゚)o彡
改めて見ると表紙でも大きいんですが…以前からこんなだったっけ。
で、素直にいかなかった例では、ブチ切れ静雄が…あれは怒ると思ってたんだがなぁw これも押絵GJだ。

「……よく我慢した。お前は今、国民栄誉賞を貰ってもいいと思う」

納得すぎるわw
そんなこんなで、予想通りの行動でも、そうでない場合でも結構性格的に納得のいくフォローが入ってて素敵ですね、ということでした。どんどん登場人物が増えていく中で、それに追随して視点もが増えていく中で、それを固持している所はもっと評価されていい、と思いますよ。基本的に皆面白い所があるので憎めないっちゃー憎めないよね。現段階の黒沼は例外だが。


そして、6はいつになるのであろうか。前後編なので今回ほど間隔は空かないと思うけど…内容忘れるので早めに出してくれると嬉しいかな。
あとデビルサバイバーがちょっとやりたくなりました。査収…してくるか。


■感想リンク■

4048675958デュラララ!!×5 (電撃文庫)
成田 良悟
アスキーメディアワークス 2009-03-10







デビルサバイバー