「アルトネリコ2 世界に響く少女たちの創造詩」

「バカ、バカバカ!」
「あんた、本当に最後まで大バカね。何今更になって心閉じてるのよ!」
「で、でも、やっぱり怖いのよ……」
「いいこと?あんたほど純粋な心を持った大陸バカ、他にはいないの!あなたは、絶対メタファリカを成功させられる」
「ううん、成功させなさいよ。私の…私の夢だったんだから」
「……インフェル」


「あんたは成功させられる!私が言うんだから、間違いないのよ!だから、思いっきりいっちゃえ―――――――――――――!」


あらすじ

「神」が力を失い、ゆっくりと朽ちていくメタ・ファルスの地。「サブリメイション」の阻止に成功し、帰還したクロア達は大陸を創造する詩魔法「メタファリカ」の準備にとりかかる。前回は「メタファリカ」の成功に必要とされる知識も、詩も欠けていた。今回の挑戦においてはそれは万全。だが、前回の失敗による惨事からくる民衆の期待と不安は想像以上にルカとクローシェ、二人の御子達に重くのしかかっていた。
一方、メタ・ファルス遥か上空の人工衛星ソル・マルタでは、「メタファリカ」直前の喧騒を眺め続ける一人の少女がいた。彼女の名はインフェル。詩魔法「メタファリカ」を完成させた本人にして、大陸を紡ぐのに失敗した初代「澪の御子」。彼女はかつての自分と同じ状況のクローシェを見て苦い記憶を思い出していたが―


本編クリアした人向け

PS2で出てたsnegRPGのノベライズ。著者はゲーム本編でもショップイベントや調合イベント、トークマター、風呂会話や空葉原事変(要はサブイベント全般)のライターさんらしいのではっちゃけた内容を期待してたのですが…ガチ正史じゃねぇかコレw
ページを捲ってまず驚いたのが、世界設定に2本編のあらすじ(終盤まで)、登場人物・用語解説まであったこと。特に用語解説なんて知ってる人が見たら「犯人はヤス」レベルのことまで書いてあったりで容赦なくネタバレ。この時点で本編クリアしてから読むのが推奨されてるのが推測されます。が、本編終えた人にはこの程度の知識なぞ必要無いだろうし、逆に全く未経験の人はこれらの知識があってもさっぱりな気がする。では、この項目は何の為にあるのか…?と思ったり思わなかったり。まぁ、未プレイの人は読まないとは思うんだが…
本編はラスボスを倒してからEDまでの期間の詳しいお話。メインはメタファリカ前夜の過去と現在の御子さまをクローズアップ。それにインターバルとして他のキャラの小話が挟まる形式になってます。
メタファリカ前夜のお話は、過去の回想がメインで…初代御子さまのインフェル×ネネシャな内容。ラスボス戦が終わってからEDまでの期間、(ソル・マルタに放置されてた)彼女は何を考えていたのか?正史なだけに、EDもそれに至る台詞も本編と一緒。だけど、それに至る過程を知ってるか知らないかで同じ場面でも受ける印象はだいぶ違うように感じました。凄く感動した…というわけでもないんだが、本編のED付近を補完する内容としては素晴らしい展開。っつーかこの内容を本編に入れる余地は無かったのかと小一時間r
で、本筋は流石に結構シリアスだったものの、残りの他のお話はサブキャラも総出演でファンサービス的な内容が強い感じだった。お風呂イベント(押絵付き)有り、ジャクリ×スピカあり、暴言を吐く空猫ありと美味しい所が盛り沢山。調合イベントのライターさんだったからかは知らないが、よりによって出てきたアイテムが「とろとろむらむら」と「トルーリーワース汁」だったのには吹いたw


一応、あらすじやら人物紹介はついてるものの、不足してた部分を補完するような内容なので本編未経験な人には正直お勧めできない、諸刃の剣。が、本編クリア済みで、それなりに内容が楽しめた人には果てしなくお勧めかもー。読み終えると、本編の内容がもっと好きになれること請け合いです。
ところで3はマダー?

4797345713アルトネリコ2 世界に響く少女たちの創造詩 (GA文庫)
凪良
ソフトバンククリエイティブ 2009-03-14