水鏡希人

「静野さんとこの蒼緋」

「ちょ、ちょっと、お兄ちゃん、どうしたの?ねえ、お兄ちゃん」 「お兄ちゃん、どうしてこんなところ連れてくるの?手痛い、痛いよ、そんなに引っ張らないで。痛い、痛い、痛いの、だから、痛いってば!!」 「この馬鹿!さっきから痛いって言ってるじゃな…

「君のための物語」

「そういえば、あの乾杯の言葉は中々良かったね」 「そんなに良かったかな?」 「ああ、悪くない表現だったよ」 「数奇な運命……か。あの言葉はとっても透明感があって良かった。それでいて、多くの意味を含んでいる。幸福も生きている喜びも、苦難や辛さ、そ…