「C3-シーキューブ-2」

『首尾はどんな具合ですか?こちらは異常ありません』
『返事がないの不安です。でも動けないので監視を続けます』
『本当に何もないですか』
『放課後になっても異常なし。下校する人も増え始めました。いつまで監視してればいいんでしょうか』
『返信求む☠ฺ


「いかん、マジに忘れてた」
「最後のマークは何なのだ、恐ろしいぞ」
「『もう待ち疲れちゃって死にそうです』の意味だと思いたい。心から……!」
「そのまま『お前をコロス』ではないのか……?」


あらすじ

春亮の家に新たな宅配便が届いた。厄介事の雰囲気を感じつつそれを開けてみると、中には真新しい制服と高校の教材一揃え。そう、父親の根回しによりフィアも春亮と同じ高校に編入するようになったのだ。
登校初日、理事長に編入のお礼を言いに行く面々。そこで春亮は理事長に一つ頼み事をされる。知人から託された『呪われた人形』を預かって欲しいという。だが、人形が入っている筈のトランクの中身は空だった。人形が自分で逃げ出したのか?捜索を続けるフィア達は閑散とした被服室で人形のように整った姿形の女性と遭遇する。彼女は自らを《王権を果たす完全人形》と名乗り―


萌エグロ

萌えとエロと微グロ・略して萌エグロ(成田良悟さん命名)

そういう方向性ですか。
相変わらず帯の位置が計算しつくされた表紙。裸率は落ちたが、エロイ場面にきっちり入る押絵はわかっていらっしゃるというかなんというか。しかもそういう場面が伏線になってたりする始末、すげぇ。全体的に、1巻よりサービス過剰な雰囲気すら。エピローグでメイド服にぶっかけとか見た日にはどうしようかとwww
エロ方面がやはり目立っていたが、お話自体も素直で普通に面白いと思う。今回は特に敵の造形が秀逸。「解呪を望まない呪物もいる」「人間の感情」といった件でフィアの成長に絡め、サプライズ有り、綺麗な散り方と隙が無い展開。前巻同様、ラブコメ部分とシリアス部分のメリハリをきっちりつけて描いているのも好感触。かつ、前巻ではサービスシーンや専門用語の連発があざといと感じることがあったがその辺りも改善。専門用語連発は廃止。サービスシーンは…慣れ?全体的に雰囲気が明るくなって紛れた感はする。
前と比べるとグロ成分↓エロ成分↑な感じでより一般向けに…表紙やらで敬遠されそうだが。読んでみると意外に手堅い、というか割と王道?もう少し、グロかったり鬱だったりしても問題ないとは思うけど。


■感想リンク■

4840241430C3-シーキューブ 2 (2) (電撃文庫 み 7-8)
水瀬 葉月
メディアワークス 2008-01-10