「生徒会の一存 碧陽学園生徒会議事録1」

「杉崎は、どうしてそぉ軽薄に告白ができるのよ」
「本気だからです」
「嘘だ!」
「『ひ○らし』ネタは微妙に古いですよ、会長」
「杉崎、この生徒会に初めて顔出した時の、第一声を忘れたとは言わせないわよ!」
「なんでしたっけ?ええと……『俺に構わず先に行け!』でしたっけ」
「初っ端からどんな状況なのよ生徒会!違うでしょ!」
「あれ?それじゃあ……『ただの人間には興味はありません。宇宙人、未来人――』」
「危険よ杉崎!色んな意味で!」
「大丈夫です。原作派ですから」
「なんの保障!?あとアニメの出来は神だよ!」


あらすじ

私立碧陽学園生徒会―そこはまさに美少女の園
この学校の生徒会役員選挙は単純な人気投票なので、美少女ばかりが選ばれるのは必然の理。だが、そこにも一つの例外があった。《優良枠》学年で成績1位の生徒も希望すれば生徒会に参加できるという、特権にして妥協点。現生徒会で唯一の男性である副会長・杉崎鍵はまさにその《優良枠》を利用して生徒会に入った一人である。今日も彼は生徒会室の中心で愛を叫ぶ。

「俺は美少女ハーレムを作る!」

ただし、扱いは空気以下だったり…


ワロタ

7月に3巻が出るので流石にそろそろ手をつけとくかーと思ってまずは順当に1から。
発売当時、内容もさることながら各地で売り切れが多発しそれで更に話題を呼んだ感があった1冊。御多分に漏れず私も話題になってから市内の大き目の書店を巡りましたが全滅で。だが、この本の存在を認識する前には在庫あったのかと思うと…無い気がするな。そもそも入荷されてないか、極端に数が少なかった様子。これだから地方は……!仕方ないので2刷かかってから2月頭にネットで注文しましたよええ。
で、読んでみて。
面しれぇぇぇぇぇぇぇぇ。笑った。 休憩室で昼休みに読んでて、笑いを隠すのが大変だったw
ギャルゲテンプレの元で行われるオタメタネタ小説、ただし場所は生徒会室限定、みたいな。要所要所で出てくる、ネタも気付ければ面白いのですが、会話の掛け合いが駄目な方向に駄目な方向にと迷走していくのがツボ。この生徒会にまともな一般人はいないのか。…ある意味エロゲマスター杉崎が一番まともな気すらするのはどうなのか。
ほぼ全部ギャグで笑えるのですが、中でも『放送する〜』と『創作する〜』が面白かったかな、メタネタ多目で。なんかそのジャンルで実際にあるんだけどあまり触れられて欲しくない部分を無理やり抉り出すようなネタが多くて…「GJ!」としか。ただ、この辺りは元ネタを把握してないと「訳わからんね」「笑う坪どこ?」状態になるのは確定的に明らかなので、よく訓練された人にしかお勧めできない、諸刃の剣。
しっかし、評判良いのは知っていたが生徒会室で駄弁ってるでこれほど面白いとはなぁ。『らきすた』みたい(或いは4コマ)って評はよく見るのだが、あっちのノベライズ版が無駄に範囲を広げてお察しな感じになってるのがこの作品と対照的で興味深い。範囲を絞ってるのが逆にこういう作風では生きるのかもしれないなぁと思った。
次巻以降も是非この調子でいってもらいたい。「ちょっといい話」も存外に良かったのだけど「存在しえない」シリーズに一抹の不安を感じる今日この頃。
4829132523生徒会の一存 (富士見ファンタジア文庫 166-7 碧陽学園生徒会議事録 1)
狗神煌
富士見書房 2008-01-19