細音啓

「黄昏色の詠使い(4)-踊る世界、イヴの調律」

「それより、お前こそ久々の名詠でもう息が上がっとらんか?」 「吐かせ。ワシはまだまだここからだ」 「……背中、預けて良いかな」 「無論。老いたりとはいえ、今の若者に恥じぬ名乗りをあげたいものだ」 『――上等、それでこそ我が生涯の友よ!』 なにこの超…

「黄昏色の詠使い(2)-奏でる少女の道行きは」

『さあ、あなたの道行きを教えて』 「――意地悪」 「あんた、ホントは分かってるんでしょ」 『とても好(よ)い。名詠士に在らざる少女よ。それは、とても好い決意(こたえ)です』 あらすじ「赤・青・黄・緑・白」の5色を基本に呼びたい物と同じ色の触媒を介し、…

「黄昏色の詠使い-イヴは夜明けに微笑んで」

「名詠って、難しいものだと思う?」 「でもね。この名詠は、あなたならできると思う」 「必要なのは技術じゃない。自分にとって大切な人の存在。その人を守りたいという気持ち。夜の真精にその想いを伝えなさい。なぜなら、夜の真精は孤独だったから……」 「…