塔の上のラプンツェル

先週末は連休だったのだけど墓参り以外特に予定が無く、かつ遠出しようにもガソリンの供給状況も危うかったので無料券の期限が3月末ということもあり予告を見てちょっと気になってたラプンツェル観てきました。
節電や計画停電の影響で映画館の営業時間も結構短くなってたり休みとかあるんだろうなーと考えたものの、遅い時間のレイトショーが無くなったくらいで然程変更は無し。営業自体も13日の昼からやってたみたいで割と映画館頑張ってた。こういったご時世だからこそ映画みたいなお手軽な娯楽は必要ですね。
で、ディズニー・クラシックス記念すべき50作品目のラプンツェルの客の入り具合は…なんと自分含めて7人w7人の侍ってレベルじゃねーぞ…封切り二日目くらいだよな?この作品。映画館自体は割と混んでたものの、ほとんとがプリキュアドラえもんの観客だったというオチで一つ。


あらすじ

ある王国の森の奥深くにそびえる高い塔に、ラプンツェルという少女が暮らしていた。ラプンツェルは18年間、育ての親であるマザー・ゴーテルから、塔の外に出ることを禁じられていた。と、いうのもラプンツェルの髪には若返りの不思議な力があり、ゴーテルはそれを利用して若さを保っていたためだ。しかし外の世界に憧れる彼女は、自分の誕生日が来ると遠くの空に現れる、無数の灯りの正体を知りたがっていた。
ある日、城から王冠を盗み出した大泥棒フリン・ライダーが、衛兵に追われて森へと逃げ込んだ。追っ手を振り切った先で塔を見つけたフリンは、壁をよじ登って侵入するが、すぐにラプンツェルの長い髪に捕らえられてしまう。ラプンツェルはフリンを解放する条件として、彼に「灯り」が現れる場所まで案内させることにする。
ゴーテルの言いつけに背いて塔の外に出たラプンツェルは、初めて見る世界に胸を躍らせる。一方、塔に帰ってきたゴーテルは、ラプンツェルがいなくなったことに気づき、慌てて彼女を捜し始めるのだが―


いい意味で普通に面白い

最近のCGアニメはピクサーの独壇場だったけど、本家ディズニーもやればできるじゃないか! カーズやらトイ・ストーリー3やらヒックとドラゴン(他社だけど)程の完成度…には流石に及ばないが十分に面白い。シンプルなお話で展開も予測の範疇なのだけど、いい意味でそれを含めてエンタメに徹していて素直に楽しめる、いい意味で普通に面白い映画でした。
ストーリー自体は、グリム童話版ともおとぎ話版とも違うある意味ではオリジナルストーリー。塔とか結末の展開とか(もちろん長い髪とか)色々エッセンスは抽出してあるけど、前提条件とか途中の展開とかかなり違う。かなりシンプル。色々エログロ展開な童話版はもとより、おとぎ話版よりシンプルなお話。だが、シンプルとはいえ基本的なお話の流れがしっかりしているのでアニメとして見れば大きな不満は無し。別にミステリとか観てるわけじゃないしな。特にラプンツェルが旅に出る動機付け→一番盛り上がる『あの』シーンへの関連性がしっかりしてたのは好印象。ただ、原作準拠とも言える終盤のあのシーンは前フリとかなかったのでちょっと安直かもなぁ…とは思った。死ぬ死ぬ詐欺。勿論それを見越した高度なジョークという可能性もあるわけだが。
あと、ミュージカル風の演出が多いのが気になった。最初は「別にミュージカル観に来たわけじゃねぇぞ…」とか思ってた。が、意外にしっかりと(特に中盤以降は)登場人物の心情に関わる物が多くなっていったので、延々とストーリーを丁寧に追っていくよりはこちらの方が画面に動きがあって良かったのかもと考えを改めるに至る。おとぎ話版をそのまま映画にするとマジ動き無さそうだし。シンプルなストーリー構成で時間を確保しその部分にミュージカル風のシーンを入れるという構成は結果的には成功していたと思う
技術的…というか見た目的な点でもラプンツェルは洋モノCGアニメにしては可愛いほうだし、3D上映も髪の動きとか含めてよく頑張ってた感。3Dにした意味がよく考えればなかったアリスインワンダーランドの時と比べるとかなり向上。まぁ、普通に2Dでも特に問題はない気がするが…


おとぎ話原作らしくシンプルなお話ながら手堅く纏まった構成と、エンタメ要素溢れる場面展開によりお子様から大人まで素直に楽しめる作品。すげー面白い!ってわけではないが、特に大きな不満は出てこないんじゃないだろうか。
そして観る前は意識してなくて後から気づいたのだけど、これお得意のプリンセス・ストーリーの一つなのね…確かに『髪長姫』だ。プリンセス強調すると観客が偏るということであんまり意識させない広告展開させたらしいけどそれは正解かもなー


4480770313決定版 完訳グリム童話集〈1〉
野村 ヒロシ Bruder Grimm
筑摩書房 1999-10

B004HA5ACW塔の上のラプンツェル オリジナル・サウンドトラック
(オリジナル・サウンドトラック)
WALT DISNEY RECORDS 2011-03-09