「マリア様がみてる あなたを探しに」

「私は、武道館って書いたんですよ」
「ふうん、そうなの」
「ベタだわね」
「そりゃ、ベタですよ。ウケ狙っても仕方ないですもん」
「でも。完敗でした。由乃さまが予想以上に面白い場所を考えてくださる人で、うれしいです。今回は中等部の生徒にもチャンスを下さって、ありがとうございました」
「よくわからないんだけど。菜々の中でこのイベントは、結果を含めて楽しかったわけ?」
「もちろん、そうですよ」
「参加しただけで、いいんだ?」
「ええ、だって」
「私はいくらでも由乃さまとデートできますもん」


今回は宝探しの後日談、3者3様のデート模様が描かれております、そして
長きに渡る瞳子のスール問題についに決着が!!






まだついてねぇぇぇぇぇぇぇ
や、十中八九ほぼ確定事項だとは思うのですが、そんな見せ場を次の巻の冒頭に持ってくるような書き方をされたらまだ何かあるのか心配になってしまいます。『銀盤カレイドスコープ vol.9』の例とかあるし…。ロザリオの享受辺りの重要な件を巻末でやってしまうには忍びないので次巻に持ち越しというのを信じたい。
紅薔薇組、今回はシリアス一辺倒。とはいってもそんな激しい展開は無く、静謐な雰囲気の中で瞳子がその思いを祐巳に淡々と打ち明けます。…ここまでが長かった。敢えてデートコースということで祐巳そんな場所に連れ出し、そこでの告白…。そこは瞳子の元風景。周囲の雰囲気とあいまって非常に心に残ります。素直になった瞳子かわいいよ瞳子。学園、又は他に人がいる状況ではこうはいかなかったでしょう。そういう意味ではスール問題が勃発している中突然行われた感のあるバレンタインの宝探しイベントですが、瞳子に一歩を踏み出させるきっかけ+今回の状況を作り出すのに必要な理由ということでストーリー展開上も外せない物だったのかなぁと思います。これを見越して前回の宝探しをやってたら凄いなぁ。
黄薔薇組、今回はコメディ要素多し。個人的には今回もっとも美味しいと思う。由乃のお相手は前回の宝探しで令ちゃんとのデート権を持っていかれた『宿敵』田村ちさと。最初っから相性の悪い二人のデートはどうなることやら…って意外に意気投合しちゃいました。拳と拳で語りあう友情(違。犬猿の仲だった二人ですが(由乃⇒田村のみだったり?)今回の顛末から二人の成長が垣間見れて微笑ましくなりました。あと、有馬さんちの菜々ちゃん。正式にスールになる前からこれほどとは…できておる喃。しかも剣道っ娘で実力は菜々>>由乃。もう来年度が楽しみですwしかし黄薔薇は人に恵まれてるなぁ。
白薔薇組、今回はサスペンス? 他が良かったので割を食った感が。新聞に出すレポートの体裁を考えてる時のほんの一瞬の黒志摩子さんっぷりが面白かった。


あと、スールは瞳子で決まりそうですが、時々は可南子の事も思い出してあげてください…。

4086008955マリア様がみてる−あなたを探しに
今野 緒雪
集英社 2007-03-30