藤原祐

「煉獄姫」

「あなたは、しなないの?」 「はい」 「わたしがそばにいても?」 「はい」 「わたしが、さわっても?」 「はい」 「……だったら」 「だったらめいれいするわ、フォグ」 「わたしと……ともだちになって」 あらすじ異世界【煉獄】。そこに満ちる大気は有害であ…

「アカイロ/ロマンス6 舞いて散れ、宵の枯葉」

――世界を歪ませているのは憎しみや恨みなんかではないね。 他ならない自分が口にしたことだ。その持論は今でも揺るがない。 そう。自分が神楽に対して負の感情を抱いたところで、なにかが変わるはずもないのだ。 世界を変えられるのは、歪ませるのは、ただ愛…

「アカイロ/ロマンス5 枯れて舞え、小夜の椿」

「ねえ、霧沢くん。……女の子が男の子を好きになるのに、理由なんてないのよ」 あらすじ鈴鹿党首の証でもある宝刀【つうれん】を繁栄派に奪われ、親友だった歩摘も敵になった。さらに、「母が姉を手にかけていた」という忘れていた記憶が枯葉の存在意義を揺さ…

「アカイロ/ロマンス3 薄闇さやかに、箱庭の」

「どういうつもり?」 「どうもこうも。英の言った通り、偶然ですよ」 「誤魔化さないで」 「くだらない冗談に付き合う趣味はないわ」 「まったく……昼間と別人ですね」 「…………えっくん」 ぼそり、と呟いてみた。 「……っ!」 攻撃命中。 あらすじある学校帰り…

「アカイロ/ロマンス 少女の鞘、少女の刃」

「私、人間が好きだよ」 「でも、大嫌い。人間なんて大っ嫌い。私はみんなに好かれたくて頑張ってるのに。明るく振る舞ってみんなを笑顔にさせたいって思って無理してるのに……私が違うってわかった途端、掌を返して拒絶するんだ。ねえ、どうして駄目なの?あ…

「れじみる。Junk」

「佐伯、せんせい」 「ふん。まったく、……、余計なこと、してんじゃ、ないわよ」 あらすじ【虚軸】に関連した一連の事件が終わり、一ヶ月半程が過ぎた。 そして今日は待ちに待った狭間学園の文化祭。硝子と友人達は議論の末、晶のクラス・二年三組の『TS喫茶…

「レジンキャストミルク8」

「わたし、いけなかった、んです。マスターを好きに……なっては、いけなかっ……た」 「ここに来ちゃ、いけなかった!私がいたら、いたから……!」 「私は生きたかっただけ……なのに!ただ、生きようとしただけなのに!そんなこと、考えちゃいけなかったんです!…

「レジンキャストミルク7」

「でもね」 「この子たちの友達は、この偽物の姫島の方なのよ」 「直川たちが選んだのは、直川たちを選んだのはあんたじゃない。この娘よ。偽物?上等ね。安物の紛い物?いいじゃない高価じゃなくて。コピー?だったら本物との差なんてない。模型?模型の方…

「レジンキャストミルク 6」

「『初夜』って、意味わかって言ってんのか?」 「当たり前です」 「じゃあ説明してみろ」「あの、マスター、それは何の羞恥プレイですか?」 しかし本筋には全く関係ない罠 口絵カラーイラストの漫画も相変わらずでそっち方面への配慮も忘れない ほのぼの×…

「レジンキャストミルク5」

電撃の黒い太陽こと藤原祐の放つ、ほのぼの×欝なお話の第5弾。 3〜4辺りの欝っぷりが凄かったので今回最初の方は「失速?」とも思えたが然に非ず。後半の怒涛の展開は欝とかダークではない気がするが凄かった。燃え。加えて語呂のいい台詞も独特なルビも好き…