★★★★☆

「クジラのソラ 04」

「泣いてるのか?」 「泣いてないわよ。ただちょっと、その。――ええと、これもまだ中継されてるの?」 「ああ。何かいいたいことはあるか」 「ええ、っと」 「うん。ええと、ひとことだけ」 「みんな、ありがとう!」 あらすじアリスの兄・アーサーの計画に…

「黄昏色の詠使い(4)-踊る世界、イヴの調律」

「それより、お前こそ久々の名詠でもう息が上がっとらんか?」 「吐かせ。ワシはまだまだここからだ」 「……背中、預けて良いかな」 「無論。老いたりとはいえ、今の若者に恥じぬ名乗りをあげたいものだ」 『――上等、それでこそ我が生涯の友よ!』 なにこの超…

「円環少女(6)太陽がくだけるとき」

「先生は、自分が人生墜落中だって気づいていますか?」 あらすじテロリストの凶弾に倒れたメイゼル。仁は彼女の命と引き換えに《協会》の走狗となり、地下都市の殲滅に向かう。 だがそれは仁が《公館》に反旗を翻すことを意味していた。仁を罰するべく差向…

「十八時の音楽浴 漆黒のアネット」

「でも、わたしは――あの大空襲の焼け跡から始まったのですよ?」 たまたま画像があったので あらすじ『火葬国風景』 昭和33年、師走。 最愛の妻・露子を亡くした三流小説作家の甲野八十助は話のネタを探し街を歩いていた。その折、彼は街で見覚えのある人物…

「そばかすのフィギュア」

優しくしてやる。 死にたくなるくらいに、優しく。 優しさはいつまでも心に残るから。激しい罵倒よりもずっと長く、ずっと残酷に。 覚悟して。。 優しくしてやるわ。 あらすじ『雨の檻』 ある惑星を目指して航行中の宇宙船の中。免疫不全のため無菌室から出…

「レジンキャストミルク8」

「わたし、いけなかった、んです。マスターを好きに……なっては、いけなかっ……た」 「ここに来ちゃ、いけなかった!私がいたら、いたから……!」 「私は生きたかっただけ……なのに!ただ、生きようとしただけなのに!そんなこと、考えちゃいけなかったんです!…

「レジンキャストミルク7」

「でもね」 「この子たちの友達は、この偽物の姫島の方なのよ」 「直川たちが選んだのは、直川たちを選んだのはあんたじゃない。この娘よ。偽物?上等ね。安物の紛い物?いいじゃない高価じゃなくて。コピー?だったら本物との差なんてない。模型?模型の方…

「人類は衰退しました」

「ぼ、ぼくなのでは?そろそろ、ぼくなのでは?」 四番目の妖精さんが、待ちきれない様子で両手を挙げます。 「ではあなたは……」 「じぶんでおなまえつけてみては?」 「あなたもですか。いいですよ。どのような名前に?」 「ちくわ」 「食べられたいんです…

「ギロチンマシン中村奈々子-義務教育編」

「感情とは――なんですか?」 「心とは――なんですか?」 「人間とは――なんですか?」 「あなたは――奈々子と同じ顔をしていました。だから、きっと人間だと思いましたし、実際――人間でしたし、だったら、そのう――教えてくれるかもって」 「本当に――嫌になるく…

「黄昏色の詠使い-イヴは夜明けに微笑んで」

「名詠って、難しいものだと思う?」 「でもね。この名詠は、あなたならできると思う」 「必要なのは技術じゃない。自分にとって大切な人の存在。その人を守りたいという気持ち。夜の真精にその想いを伝えなさい。なぜなら、夜の真精は孤独だったから……」 「…

「“文学少女”と穢名の天使」

「一冊の本から生まれたファントムという人物が、新しい命を得て、世界に広がり、新しい読者が生まれ、想像が生まれ、また別の物語が生まれていったの。みんなの想像が、ファントムをよみがえらせたのよ。 それほどファントムは愛されているし、これからだっ…

「円環少女(5)魔導師たちの迷宮」

「……今日は、あんたの、恥ずかしい写真の撮影会をしようと思うの」 「なに突然言い出すんですか!」 「どうして自分のいやらしさって、ひとりじゃわからないのかしら。名前も顔も知らない男の人のにおいをそんなに体にすりこんで、あんた一体どうなりたいの…

「マリア様がみてる あなたを探しに」

「私は、武道館って書いたんですよ」 「ふうん、そうなの」 「ベタだわね」 「そりゃ、ベタですよ。ウケ狙っても仕方ないですもん」 「でも。完敗でした。由乃さまが予想以上に面白い場所を考えてくださる人で、うれしいです。今回は中等部の生徒にもチャン…

「戦略拠点32098 楽園」

―マリアにとっては、全ては夢なのかもしれない。 昨日の記憶すらも、この星では夢とかわりない。 風になびいてさやさや囁く草原が、急ぎ足に空を流れる雲がここの法だ。 人の営みに明日を変える力はない。 『円環少女』の長谷敏司のデビュー作にして第6回角…

「臆病者のための株入門」

まずはじめに知っておくべきことがある。 投資は偶然性に左右されるゲームであり、確実に儲かる方法などどこにも存在しない。 だが、確実に損をする方法ならいくらでもある。 表題どうり、正に『臆病者のための株入門』。株式投資を必勝法が存在しないギャン…

「ミミズクと夜の王」

魔物のはびこる夜の森に、一人の少女が訪れる。 額には 「332」 の焼き印、両手両足には外されることのない鎖。 自らをミミズクと名乗る少女は、美しき魔物の王にその身を差し出す。 願いはたった、一つだけ。 「あたしのこと、食べてくれませんかぁ」 死に…

「DDD 1」

最後に年表?があったりと「空の境界」風味の全体構成。ただ、主人公の設定故か1巻収録の話の内容故か視点、時系列が変わること多し。叙述トリックも多く、文章的には以前より読みやすいが、素直に理解し辛く感じた。入れ替わりその1はなんとか気づけたもの…

「スプライトシュピーゲル」

近未来のウィーン、文化保全国に指定され、ありとあらゆる言語、文明、宗教が飛び交う最中、人種、宗教的な理由によりテロ活動が活発化していた。 機械化された四肢を持ち 最新の官給品として 敵を貫く弾丸 これは天に唾をしながら未来を嘲り、日々を生きる…

「キャメロットの鷹―アーサー王宮廷物語〈1〉」

エクスカリバー 魔法使いマーリン サー・ランスロット 湖の貴婦人 等々言葉自体は良く見かけたり、事の顛末くらいは一般的にも知られているものの改めて聞かれると細部まではよくわからないアーサー王物語がよくわかる。実際は近親相姦やら勢力争いやらで結…

「とある魔術の禁書目録(インデックス)12」

今回はバトル無し(多分)でコメディ中心に。 相も変わらずフラグを立てまくる上条。 今回その毒牙は御坂妹と「打ち止め」にまで… そんな貴方が出会いが欲しいなんてくぁwせdrftgyふじこlp一瞬で美味しいところを掻っ攫っていく神裂ねーちんに生足濡…

「煉獄のエスクードARCHIVES―だけど綺麗なものは天国には行けない」

短編集。 全体的にレイニーさんが美味しいとこどり。どの話も短い中できっちりオチまでつけているので面白いが特に「本日快晴」が出色のデキ。 短編でハードボイルド風味で小粋な描写も交えつつ独語感も良し。 貴子潤一郎はやっぱ短編強いわ。 敵の描写がス…

「“文学少女”と繋がれた愚者」

有名文学作品を題材にしたミステリ風味の物語。今回は「友情」でした。 作中劇で「友情」が題目に。 そのままじゃん。 とか思ってたら、微妙にアレンジが加わって「友情」ならではの三角関係が発足。 前作ほど原作に引きずられてはいないので今回は原作読ま…

「魍魎の匣」

夏頃買っておいて積んでたのを正月休みに一気読み。2作目にして1000ページ越え。 正直長い、長いんだがラストに持っていくのに全てが必要と思え削れる場所が思いつかないのが凄い(京極の薀蓄は…まぁ)。 これだけ長い物語でミステリとして全体の構成を破綻さ…

「マリア様がみてる (大きな扉小さな鍵)」

祐巳視点が今回ほとんど無かったが、それとは対照的に久々に本筋が進んだ感じ。 志摩子さんや可南子の「問題」が今まで想像してたのより軽かった(?)ことを考えれば瞳子の問題はかなり重大っぽい。終盤で瞳子が祐巳に対して致命的な発言をしてしまったため今…

「”文学少女”と飢え渇く幽霊」

有名文学作品を題材にしたミステリ風味の物語。今回は「嵐が丘」でした。 事前に読まなくても粗筋程度は出てくるけど、最初から知ってかかった方が人間関係を邪推できて面白いとは思う。 むしろ知ってた方がサプライズがw今回は遠野先輩の説得も若干効果あ…